コーヒーの品種について

1   ティピカ…  ティピカは最も古い栽培品種と考えられていて、他の品種はすべて、ティピカの突然変異や交配によって生まれた。コーヒーを商品作物として最初に世界に広めたのはオランダ人で、彼らが持ち出した品種がティピカだった。完熟実は赤く、カップに注いだときの風味に優れた品種だが、他の品種に比べて生産量が少ない。現在も世界中、多くの地域で広く栽培されている。クリオロ、スマトラ、アラビゴなどの品種名でも知られている。

2   ブルボン…  ティピカがマダガスカル島の東にあるブルボン島(現レユニオン島)で突然変異して生まれた品種名。収穫量はティピカより多く、スペシャルティコーヒー市場では、特有の甘さを評価する。完熟実の色は種類によってさまざまで、赤色、黄色、オレンジ色の場合もある。以前は幅広く栽培されていたが、多くの生産国でより生産性の高い品種に取って代わられた。新種に劣る生産性を高値によって補うほどには、当時の市場が成熟していなかった。

3   ムンド・ノーボ…  ティピカとブルボンの自然交配で、名前は1940年代にこの種が発見されたブラジルの地名に由来する。生産性が比較的高く、耐久性があり、病気にも強い。ブラジルによくある標高1000〜1200メートル(3300〜3900)程度の比較的標高の低い環境でもよく育つ。

4   カトゥーラ…   1937年にブラジルで発見されたブルボンの突然変異種で、比較的生産性が高い。実が多くなりすぎて、木が耐えられずに枝枯れを起こしてしまう事があるが、適切な農園管理によって防ぐことができる。コロンビアや中米で特に人気の品種だが、ブラジルでもよく見られる。カップに注いだときの風味は高く評価されていて、標高の高い産地の物ほど品質が高いが、収穫量は減る。完熟実は赤いものと黄色いものがある。樹高が高くならない矮性種または半矮性種で、手摘み作業での収穫に適しています。

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